食べ物の基本は炭水化物にアリ
糖質制限が世間では話題になっていますが、ヒトの食事の基本は炭水化物ににあります。
昨年、LANCETという有名な雑誌の関連雑誌であるLancet public health という雑誌に載った研究で、以下の内容が報告されました。
炭水化物食のパーセンテージが高い場合と低い場合の両方が死亡率の増加と関連しており、炭水化物の摂取量が50〜55%の場合、リスクは最小限であった
Lancet public health. 2018
炭水化物は取りすぎても、取らなすぎても、死亡率が上がるという大規模な研究結果です。
まずは、健康を考えるなら炭水化物はとることをオススメします。
何を食べるかで、勝負は決まる
栄養学は、スポーツ科学の一分野として発達してきており、スポーツ栄養の研究は非常に盛んです。
サプリメントも含めた研究が進んでいる中で、どういった栄養の取り方が提唱されているのかを科学的に整理してみます。
栄養によるパフォーマンスの差は数%の結果ですが、数%差によって勝負が決まるのが世の常です。
栄養学の基本
栄養の基本は、2つだけであり、
❶ 身体を作る
❷ エネルギーを生み出す
栄養は3大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)を中心にエネルギーを生み出し、ビタミンやミネラルが補助的に身体の形成を担っています。
エネルギーの基本は炭水化物
エネルギーを作り出す上で、最も重要なのが炭水化物です。
炭水化物は、分解されるとブドウ糖の形で血液内に存在して、糖を身体の中で保存するために、肝臓や筋肉内にグリコーゲンとして保存します。
重要なのは
❶ 必要なエネルギーの炭水化物をとる
❷ 炭水化物を身体に効率よく蓄える
練習に必要な炭水化物を必ず取ること
一般的な炭水化物の摂取量については、目安が示されています。
体重と練習時間から、必要な炭水化物の量を求めます。
必要な量をどのくらい何を食べるかを日々考える必要があります。
試合前にはグリコーゲンローディング
最も一般的に、炭水化物(グリコーゲン)を筋肉や肝臓に蓄える方法がグリコーゲンローディングと呼ばれる方法です。
練習量を調整をしながら目標とする試合の一週間~3日前は通常のエネルギー比の食事(糖質50~60%,たんぱく質 10~15%,脂質25~30%)をとり、3日前から高糖質食に切り替える方法が現在の主流です。
試合中には何を取るか
競技中には、基本的には水分補給しかできませんが、何をどれくらい取るといいのでしょうか?
糖質と電解質が必要ですが、今回は糖質(炭水化物)に焦点を絞って解説します。
競技中は、1時間から2時間半程度の競技では1時間当たり500-1000mlのスポーツドリンクが必要です。
ドリンクの種類で何が違うのか?
競技中のドリンクには、様々なものがありますが、糖質を中心に説明します。
ポカリとアクエリでは、含まれる糖質の量が異なります。
理想とされる濃度は6−8%の糖質濃度ですが、条件によって糖質の吸収が妨げられるので、濃度が低いスポーツドリンクもあります。
糖質が多いとエネルギーが多くなるので、エネルギー補給が多くなりますが、一方で甘く感じたり、飲みにくいなどのデメリットがあります。
糖質が減ると、飲みやすくなりますが、エネルギーとして使われにくくなるデメリットがあります。
これは、基本的には好みの問題になります。
暑い時・試合の時には糖質が少ないものを・・
飲めない時は口をすすぐだけでもOK
どうしても水分が取れない時や飲みたくない状況があるかと思います。
その時に、効果的なのが糖質を含んだドリンクで口をすすぐことです。
味覚から神経系に作用して、パフォーマンスが上がることが報告されているので、根拠のあるエネルギー補給の方法なのです。
必要なエネルギー量をきちんと確保することが重要です。
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